歴史が教えてくれること
カテゴリ:歴史と文化の散歩道 更新日:2016年4月22日 更新者:八代市立博物館
2016年4月14日、16日、19日、八代は大きな地震に見舞われました。
被災された皆様、また今なお避難を余儀なくされている皆様に心よりお見舞い申し上げます。
さて、こうした大きな地震に八代が見舞われたのは、じつは初めてではありません。
今から397年前の元和5年(1619)3月17日、八代地方を大地震が襲い、当時、麦島にあった八代城が崩れ落ち、城下町は壊滅、大きな被害を受けたことが知られています。今回の地震で、熊本城が崩れ落ちるのを見て、麦島城が崩れ落ちる様子を想像してしまいました。当時の八代の人々の恐怖と落胆ぶりはいかばかりだったでしょう。
しかし、今まで気づかなかったことにも気づくことができました。
麦島城が崩れた後、人々は新しい場所にお城を再建し、新しいお城の周りに移り住んで城下町を再建していきました。それが、今の八代中心部のまちのかたちになっています。また、途絶えていた妙見祭を復興させ、城下町の繁栄に伴い、華やかで盛大な祭礼に育てていきました。それがいまや、ユネスコ無形文化遺産への登録も期待されるすばらしいお祭りとして今に受け継がれています。
今の八代の姿は、あの大地震から見事に復興した姿だといえるのです。
まだまだ余震におびえる日々が続くかもしれません。
でも、私たちは、先人たちがそうであったように、きっとたくましく乗り越えていくことができると思うのです。